異世界物は食傷気味とか一部で言われたり言われなかったりのテンプレートですが、この辺は書き手が、本来打ち出したい部分だけに特化できる利点もあるし、お約束の領域でもあります。
ライトノベルに指輪物語クラスの世界観の説明から入ったらライトノベルにはならなくなりますし
読者へ一番打ち出したい部分以外はテンプレートでお約束とする方が、読み手、書き手共にメリットとなります
さて、お約束と割り切っている部分を割り切らないでリアルにこだわるとどんだけ収拾がつかなくなるかちょっとやってみましょう。
◆異世界召喚はそもそも(チートレベルになれるのは…)簡単ではない
異世界召喚が多くの場合は事故死だったり、なんらかのアクシデントで異世界へ召喚されます
ここで神様と接触し、ミスで死亡故のチート能力を得たり、何らかのチート能力を得るのがお約束です。
最近はお約束が飽きられてきた為、チート能力を得る手段はいろいろ作者のアイデアを絞る部分のようですが
あと、異世界側が召喚世界側よりも全体的に弱体化している為、召喚者はスーパーヒーローであるという設定もスーパーマン時代からのギミックとなってたりなってなかったりです。
この辺りは主人公がチート能力を持たない場合、地道な成長を描かなければならず、話が悠長になっても読者は飽きてしまうという絶対的命題(ライトノベルは読者が数万作品から評判なり検索なり、なんらかのアクションで読み始めた作者を最初の数ページで、あるいは数行で引き込まなければ、後半に面白くなってもそこまで読んではくれないという大前提がある故、テンプレートで悠長な世界観はとりあえずすっとばして読者を引き込む展開を必要とする部分も関係してきます)をなんとか克服しなければなりません。
さて、お約束はそうだとして、異世界召喚は簡単ではありません、簡単である場合もありますが、そうなると主人公の量産体制が成り立ってしまいます。
量産型勇者というジャンルがあっても面白いかもしれませんが、そうなると主人公がモブ化する本末転倒が起き始めます、それはそれで新しいジャンルかもしれませんが
ちなみに、リセマラとかは、非常に極悪非道な異世界召喚なのではないかと思ってみたり見なかったりですね。
多分、ライトノベルで描かれる主人公も裏では結構リセットされてるんじゃないのかと思ったりします。
つまり、最強チート能力キャラで登場できなかった主人公ってのは相当数リセットされてそうです。
最近はそういう草葉の陰のキャラを拾い上げてくれる物語もあったりしますけど…
召喚されたけど、瞬時にデリート…そんな主人公になれなかったキャラ達がいっぱいいそうです。
うん、ガチャは諸悪の根源なんだよな…いろんな意味で…
◆現実世界と違う環境だから異世界なわけで…
最初に発生するのが言葉の壁です、この辺はご都合主義で話せたり、最初からスキルを持っていたりと随分と都合の良い話になってますが、現実世界も同時翻訳が可能になりつつありますから、昔ほど、言葉の壁はなくなりつつあります。
とはいえ、異世界で会話が成り立つのはお約束ですが、現実に考えると異世界が同じ言語か、会話が可能なのは、本来は、昔ならそこに伏線を張っておくべき領域*1なんですが、そこをすっとばせるのがライトノベルの書きやすさなのでしょう。
描きたい部分、面白い部分をまず書く、実にGMが大好きな手法です(笑)
◆なぜか存在するMMOステータス画面
自分の能力を確認するステータス画面、これがないと、異世界転生した際に自分の能力を把握できないという問題をご都合的に解決しています。
相手のステータスを見れたりもします、これって、伏線の回収や展開、相手への先回りを事前に不自然にしないというご都合主義的展開を可能とするために、あると超便利な機能です。
これがないと、主人公が本来知らない筈の事を都合よく思いついたり、行動したりする動機に理由付けを別に考えねばならず、プロットや展開をきちんと組み立てておかないとなりません。
そういうのがうまくできるなら推理小説とかもかけるようになるのではないかなとも思います
…こう書いてると、お約束には物語を書きやすくする為に、作者が採用しているものがテンプレート化したのかな?とも思わなくもないですね。
数万冊もネットにある以上、盛り上がらない物語を読者が読んでる暇はないのでしょうから…。
ただ、スーパーリアルライトノベルが面白いかと言うと、過去のエライ人の言葉を借りましょう。
よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は作れないぞ!
…こういう事を書いてる時はTRPGやりたいけど忙しくて悶々としている時なんだよなぁ…大抵