今回の北海道のブラックアウトは2020年の電力自由化と直接は関係ないものの、間接的には2020年の発送電分離を見据えた設備投資を長期的な視野で投資出来ないという問題が見え隠れしてきます。
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人口密集地の採算を考えて設備投資を行う場合ライフラインが採算割れで整備する民間企業はありません
採算の取れる形で民間企業は参入する形になります
問題は、電力は今回、ブラックアウトで皆が知る事になりましたが、『供給量は多くても少なくてもブラックアウトしてしまう』という問題です
果たして参入する民間企業が、採算しか求めない状態で過剰供給に対して安定供給の為の揺らぎをカバーできるのか、既に今回のブラックアウトで警鐘を鳴らしているのではないかとも思います。
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一時的には電力が安くなるかもしれませんが、それでライフラインが不安定になるのであれば、冬場の停電は死者が北海道は出ます、恐らく死者と大事故が出て初めてこの問題は大きく取り上げられて対策が取られる事になると思いますが、その時、北海道の極寒期の停電でどれだけの凍死者が出るかという事です。
幸い、今回のブラックアウトで、多くの北海道の人が『これが真冬だったら死んでた』と対策を取り始めていますが、恐らく危機管理に敏感でない人は、真冬に暖房が付かない事で始めて事の重大さが生死に直結する事に気づく筈です。
後で行政や電力会社の利益主義や失策を問う事になっても、凍死者は貴重な犠牲となるにしろ、もう帰ってきません。
一週間停電が真冬で起きれば凍死者が出ます。
電力、水道、ガス等のライフラインは他国でも民営化を行って料金が高騰したり、引き受けた企業が破綻したりしてライフラインが崩壊する例がとても多く、『採算が取れない部分を請け負う民間企業がないからこそ、国が行わなければならないのがライフライン』という部分もあります。
命に直結するからライフラインと呼ばれるもので、利益と利用者の命が秤にかけられる状態を利用者は望んでいないのは明白です。
少なくとも2020年以降、2000年問題並みに危機対策をしておかないと人死にが出かねない問題である事は覚えておくべきだと個人的には思います。
(おそらくは大規模な人死にが出てから対策を取られると思われるので、問題はその貴重な犠牲に貴方が含まれるかどうかというところが重要だと思われます)