天に向かって唾を吐けば自分に当たる。自明でしょうが、ネットでは、遥か昔の言葉まで返ってくるので油断できません。
管理者としての公の部分があるので、どうしても言葉は選ばないと(同じハンドルで、且つ参加者を置いて逃げ出すわけにもいかないので)自衛しておいても、トラブルは向こうからやってくるのがネットと迷惑というものですから、発信しないのが一番安全です。
…というわけにもいきません。
伝えないと相手に知ってもらう事は出来ないのですから、そこで、誰に・何を・どう伝え・どう理解して欲しいのか言葉を捜す事になります。
人の噂も75日といいますが、75日で記憶から忘れ去られるという意味だけではないそうです。
75日で季節も変わり一区切りという意味だそうです。
http://kuroneko22.cool.ne.jp/knowledge.htm
http://kuroneko22.cool.ne.jp/
忘れ去られるのではなく、季節も変わり、何事もそこで一区切りという意味
75日で消えるというよりは、一区切りがつく、つけるという意味だったのかもしれませんね。
ですが、ネットではサーバーや個人のログに炎上したログやサイトは保管される事があります。
こうなるとネットでの人の噂は『世界の全てのコンピュータから消えるまで』、つまりほぼ永遠となってしまいます。
後でいくら良い事を言ったとしても、昔、実は反対の事を言っていた、していた。
なんて突っ込まれたら、良い事を偉そうに語る分、面目は丸つぶれとなってしまいます。
では、永遠に自分の発言の過去に縛られるしかないのか? 復活のチャンスは無いのか?と言えば、過去の自分と一緒に歩むしかないと思います。
過去の自分は消せません、だからこそ、過去を認め、それでなお、今はこう考えると、過去を否定しないで進むしかないでしょう。
中途半端に過去を消せば、逆に美辞麗句を並べている時に、それを突っ込まれる事になる覚悟が必要です。
しかし、人は自分の過去の所業を認め、恥じることは難しく、できれば隠したい心理が働きます。
故にそれが逆に最大の演出として過去の悪事を晒すタイミングになってしまうのですが。
…というのが判っているだけに、ネットでの主義・主張の公開は怖いなと思っています。
同時に、個人情報、これも極力特定できるものは、出さないほうが良いと思います。
http://yaranaika69.blog88.fc2.com/blog-entry-77.html
http://anond.hatelabo.jp/20071230111503
炎上時は過去の発言からかなりの精度で個人特定が可能です。
特に女性だけではありませんが、過去、ネットで炎上し、職場に論争となった相手が匿名の営業妨害や過去の業務中の不利な部分を会社へ通告し解雇に追い込まれたブログ・サイトマスターの例が実際にあるのです。*1
ブロガーの4割に解雇の危険? - ITmedia NEWS
「実名の危険性」を大きめに見積もるわけ。 - 二月のかもめ。
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~knagai/works/fukugan.html
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080410/1207841868
関係が良好の時はどのような事も問題になる事は少ないのですが、一度、復讐の対象となった時、個人情報はストーカーと化した相手の武器になってしまいます。
その危険性は、情報を発信する時にはそこまで気にしない事が多いですし、気にしすぎで済んでしまう事の方が多いとも思います。
情報発信は失う物を多く持っている人程、高くつきます。
しかし、もし、自分では気づかない無思慮な発言が、誰かの逆鱗に触れ、そして、その相手(それも一人ではありません)が自分を常に見張り、ストーカーし、自分を含めた知人へと押しかけてくるとしたら、それは多くの人の一般生活を簡単に破壊できてしまう事に気づくべきです。
*2
もっとも自分に失うものは何もないと考える人であっても失うのがその人の対人評価と尊厳だと思います。
私は誰かの尊厳を奪いたいとも思いませんし、他人を傷つけることもできればしたくありません。
ですが、情報を発信する瞬間から、誰かの反論、意見、反感を買う覚悟はしなければならないとも思ってもいます。*3
どう相手に自分の思っている事を、相手を傷つけずに伝えるか?
相手を知り、相手が納得してもらえる手法と言葉を使うこと…これに関してはまだまだ未熟だと思います。
これを読む方はネット全体に対しては本当に少数でしょう、しかし、それでも、その少ない人数を対象にしてさえ言葉を選ぶという事はとても難しいものだと思います。
そして、例え、そう考え、思っていたとしても、それが行動として示されない限り、そして示されても一度張られたレッテルはそう簡単に取れるものではありません。
一度、失った信用は、それを積み上げた時間以上の努力をもって積み上げなおすしかないとも思います。*4
それだけに、情報発信を含めた自分の行動は、それが多くの目に触れる場所であるからこそ、襟を正さねばならない時もあるのではないでしょうか?*5
まぁ、言っている自分がちゃらんぽらんですから、説得力はあまりないとは思いますが、『相手の事を考える』、それを考えた時に思うのは、やはり発言がどう受け取られるのか考えて自分は発信できているのだろうか?という事が思いつくのです。
自分の無思慮な発言が、静かにそして着実に、忘れた頃に返ってくるのは、良い言葉ではなく、相手に刺さる言葉ではないかなと思います。
何故、そうなるのか、それは皆さんご存知だとも思いますが。
でも、返ってくるまで、その意味にはなかなか気付かないものなのかもしれません。
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080216/1203166312
記事も書かねば叩かれまい - 最終防衛ライン3
mammo.tv -
*1:これは個人を特定される事を避ける事で身の安全を図るではなく、発言の炎上に起因しますが、炎上の際に相手に個人情報を掴まれているということは不利になります。ですが、それは匿名だから炎上に至るような発言が許容されるという事を意味しません
*2:自分に否がなくても犯罪被害者となった際のマスコミや周囲からの対応もまた同じように一般生活を破壊してしまう事だとは被害にあった人でないと思い至らない事も多いかもしれません。報道の正義や、一時の盛り上がりの匿名からの正義感は、悪を明らかにもしますが、同時に遥かに逸脱した自己満足の正義を誰かに押し付ける事もあります。それが冤罪だったとき、正義のつもりの彼らは悪となるのですが、そのとき彼らは掌を返したように責任回避へと走り、そのようなことはなかったかのように振舞います。 松本サリン事件 - Wikipedia
*3:その割にはここにはコメント欄がありませんが。
*4:ただ、それは非常に困難と地道な作業が伴う為に、閉鎖してほとぼりが冷めた頃に過去を隠して新しくやりなおそうという人の方が多いですし、そのほうが楽でしょうね
*5:実際、常時それだと、かなり疲れますけど、公人ってそれを無意識に要求されてたりしますね