ひとつの章が数年に渡るゲームシステムの場合、そのプレイヤー数が100名を超えるシステムの場合、途中で参加者が音信不通になる場合を考慮しておく必要があります。
これをGMが嘆いてもしかたありません。自分のゲームシステムが未熟であったかもしれませんし、プレイヤー側が多忙になった場合、様々にありえます。
特に社会人の多忙な方でも参加できるように調整している関係で忙しい場合長期アクセスが不能となり、そのまま、顔を出しづらい状況となるのはままあることです。
PBM等の管理人の声を聞くと皆このような状況には苦労しているようですが、設計上事前に組み込んでおく必要はあります。
キャンペーンでほぼ参加者が固定するゲームシステムと違い、それぞれのポジションは容易に変動する可能性があります。
問題は、それが発生した場合、組織の頭をつぶす事でテロが有効であるように、一時的に組織やそのカリスマや指導力で運営されていたパーティが行動不能に陥る事を避けねばなりません。
また、状況の復元対策を行うと同時に、その参加者は復帰する事に抵抗を感じてしまいますので、その采配は慎重を要します。
そして、さらに注意しないとならないのは、『中抜け対策でどのような状況でも修正されてしまう』という操り糸をユーザーに見せ付けないことかもしれません。
吟遊詩人GMについて述べましたが、『どのような行動をしても状況が収拾されるなら、参加者はGMの駒じゃないか』という意識になりえます。
同時に、ポストの喪失による参加者の行動不能は何らかの対応と取らないとなりませんから、復帰を前提として周辺参加者のフォローを求める形が多くのパターンでしょう。
復帰の可能性を期待できるこのシステムはまだ良いのですが、PBM、PBeM時は特に苦労することとなりました。
PBMなどのシステムは、中途参加はあっても、中抜けが起こると、ほぼ以後の参加は絶望的です。
重要なキャストや周囲を交流を行っていたポジションの人が突然その月以降から消失すると状況の再構築には数ターンを要することもあります。
ジークスではその辺りの教訓も踏まえ、多くの組織には、PCより上のTOPがNPCとしています。
通常は多くの口を出しませんが、他組織からの圧力があった場合や陰謀が展開され、組織レベルでは気づいて当然の状態でPC達が気づいていないような場合に警告を発するようにしています。
ただ、他組織やパーティの行動があまりに隠密的に行動した場合は上層部も気づけない判定もありえます。
この上層部という設定は、第二期よりつけられた調整です、今ではよい教訓ですが、組織の力によったプレイヤーTOPを、他キャラクターが制止できず、組織を崩壊させた事が実際あったからです。これは歴史の一部としてGMはとても興味深かったのですが、同時に、崩壊後、その首謀者がゲームから逃げてしまいその責任を果たさなかったという点で重要な問題を残しました。
プレイヤー心理としても敗軍の将を周囲からの責任を感じながらまっとうするというのは難しい事です、そのような傾向は初期行動時から予測できましたが、同時に、周辺参加者がそれを制止できなかった事もその後の教訓となりました。
故に、判定として組織は暴走し、失墜することとなります。
だからといって、都度、GMの強制介入は操り糸を見せる事になりますので、安易な軌道修正は行えません。
これは多くの参加者が『相手の事を思いやる人達』であるだけに、陰謀に弱いという事もプレイヤー心理上あることです、プレイヤーとキャラクターは別物ではありますが、なかなかキャラクターの持つ強権を発動するには勇気がいるものです、それに躊躇しない人は、同時にプレイヤーレベルで多くのフォローを要します。
GMとしてはこのような組織内の変革や革命的行動は面白いのですが、同時に、部下達にとっては晴天の霹靂となります、故に、それ以降は、『部下も上層部の腐敗を見逃すのは部下の責任もまたある』という風にある程度状況変革時には、それを非とするのか是とするのか、それぞれに考える時間を要するようにしています。
ただ、同時に組織内の派閥化などをこれは生みますので、組織に所属する事を面倒に感じるプレイヤーが出ることも避けられません。
面白い縮図となります。
面倒を避けるプレイヤーは多くの場合は冒険者家業を選択し、組織内での物語や何かの変革や歴史に携わる事を求める人、そして、組織で活躍する人のカリスマを信じる人は組織に関与するようになっていきます。
そして、この流れが、NPC達の陰謀や願いとの流れを組み合わさった時、歴史に何を生み出すのでしょうか?
興味深く見守りたいと思います。